【 複雑な心境下での交流 】
モンテ・サルバードには、ペルー政府が設置したイゾラドの監視所も併設されています。
そして、イゾラドに父親を殺害された保護官も働いています。
その保護官は誰が父親を殺害し、その動機(理由)をイゾラドから聞き出す為に保護官になりました。
そして、当然の如く、
イゾラドに対する怒りもある
という複雑な心境を抱えています。

そして、村長は保護官と共に、モンテ・サルバードから100キロ離れた上流に向かいました。
実は、その場所で、
昨年からイゾラドとの接触が復活
していました。
そして、現れたイゾラドの中には、10年前にモンテ・サルバードとは別の場所で交流した家族もいました。
ただ、以前のイゾラドであれば、バナナなどの食糧を求める事が主だったにも関わらず、
今では洋服を望むようになっていた
という変化が見られました。
そして、交流を続けているイゾラドの中には、保護官の父親を殺害したと疑われる人物もいました。
そこで、村長が殺害の嫌疑のあるイゾラドと、改めて話し合います、、、
村長:
『 私達を攻撃するか? これまでに何人殺した? 』
イゾラド:
『 誰も殺していない。 』
村長:
『 私達を攻撃しないで。 』
イゾラド:
『 あなた達も攻撃しないでくれ。 』

【 現在のモンテ・サルバード 】
2025年8月末、モンテ・サルバードに再びイゾラドが押し入り、洋服や鍋などの生活用品の他、ナイフなどを盗みました。
しかし、モンテ・サルバードを襲ったイゾラドと、別の地で再び交流をしているイゾラドが、同じイゾラドか否かは分かりません。
例えば、繰り返しですが、交流をしているイゾラドは、モンテ・サルバードから100キロ離れているという状況もあります。
また、仮に違うイゾラドであったとしても、
イゾラド同士が仲間であるか否かも分からない・・・
という状況です。
故に、
全てはこれからの対話次第で・・・
様々な事実や言い分などを・・・
明らかに出来るかもしれない状況を・・・
お互いに創造出来るか否か・・・
に懸かっています、、、

そして、それと同時にモンテ・サルバードでは、
一見すると矛盾に感じられる・・・
交流の為のバナナやナイフなどの支援物資を準備すると共に・・・
板張りなどをして襲撃から身を守る現実的手段にも取り組んでいる・・・
という状況です、、、
【 語り継がれる昔と今 】
村長が暮らすモンテ・サルバードでは、
イゾラドはジャガーになったと・・・
語り継がれている歌・・・
があります、、、
歌詞:
『 私はジャガー 私はジャガー もし会ったら あなたを襲うよ 襲うよ そんな風に怖がらせていた 怖がらせていた 』
そして、今後の善後策を含め、村長は話します、、、
村長:
『 “ 何故、保護してあげるのか? 発砲してしまえ ” と言う人もいる。 彼らも同じ人間なので、そんな事はしない。 彼らを保護するのはモンテ・サルバードの考えだ。 保護するのは私達自身が、どこから来たか教えて貰いたいからだ。 彼らの歴史や、どこから来て、どんな暮らしをしていたのか。 彼らは、まだ原初の姿を保っている。 イゾラドも私達も元は同じ先住民だった。 彼らが集落に現れた時、どうすればいいか知る為に、対話をしなければいけない。 』

では、番組の紹介は終了ですが、今回は私のコメントは省略し、間髪入れず次に進みます!
そこで、メタファー(物語や比喩・暗喩)として『 頭のいい子を育てるおはなし 366 』(主婦の友社)から、「 てぶくろを買いに 」(新美南吉)を眺めます!
【 物語 】
寒い冬が北方から、キツネの親子の住んでいる森へやって来ました。
ある朝、ほら穴から子どものキツネが遊びに出て来ました。
昨夜のうちに、真っ白な雪がどっさり降ったのです。
ほら穴へ帰って来た子ギツネは、『 お母ちゃん、おててが冷たい。 おててがチンチンする 』と言って、濡れてボタン色になった両手を母さんギツネの前に差し出しました。
母さんギツネは、夜になったら、町まで行って、坊やのおててに合うような毛糸のてぶくろを買ってやろうと思いました。

暗い暗い夜が、風呂敷のような影を広げて、野原や森を包みにやって来ました。
親子の銀ギツネは、ほら穴から出ました。
『 坊や、おててを片方お出し 』と、母さんギツネが言いました。
その手を、母さんギツネはしばらく握っている間に、かわいい人間の子どもの手にしてしまいました。
『 それは、人間の手よ。 いいかい坊や、町へ行ったらね、帽子屋さんの戸をトントンと叩くんだよ。 そうすると、中から人間がすこうし戸を開けるからね、その戸の隙間から、こっちの人間の手を差し入れてね、「 この手にちょうどいいてぶくろちょうだい 」って言うんだよ。 分かったね 』
そう言って、母さんギツネは、持って来た白銅貨を、人間の手の方へ握らせてやりました。

子どものキツネは、町の灯を目当てに、雪明かりの野原をヨチヨチやって行きました。
帽子屋が見つかりました。
子ギツネは、トントンと戸を叩きました。
すると、戸が少しだけゴロリと開いて、光の帯が道の白い雪の上に長く伸びました。
子ギツネは、光に面食らって、間違った方の手を、隙間から差し込んでしまいました。
『 この手にちょうどいい、てぶくろください 』
帽子屋さんは、おやおやと思いました。
キツネの手が、てぶくろをくれと言うのです。
これはきっと、木の葉で買いに来たんだなと思いました。
『 それなら、先にお金を下さい 』

子ギツネは素直に、握って来た白銅貨を二つ帽子屋さんに渡しました。
カチ合わせてみると、チンチンと良い音がしました。
これは、本当のお金だと思い、子ども用の毛糸のてぶくろを子ギツネの手に持たせてやりました。
子ギツネは、お礼を言ってまた、元来た道を帰りました。
『 母ちゃん、人間って、ちっとも怖かないや。 僕、間違えて本当のおてて、出しちゃったの。 でも帽子屋さん、ちゃんと、こんないい、温かいてぶくろくれたもの 』
子ギツネは、てぶくろのはまった両手をパンパンやって見せました。

では、メタファーも終了し、今回は敢えて魂の視点で締め括ります!