第522回:『 人生の舵取りに役立つ人脈と人財 ~大黒屋光太夫に学ぶ羅針盤と地図~ 』
【 その他参照ワード:正常性バイアス、漂流生活、コミュニケーション 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング・各種セミナー&認定講座)の瀬川です!
前回のTOPICS『 大人達よ恥を知れという反面教師 ~セウォル号沈没事故と真の動機より~ 』の締め括りでは、以下のコメントをしました!
《 全ては無理にせよ、「任せ切り」では心身を守れない時代に、既に突入しています 》
その理由が、
現代は「羅針盤」を失っているが故に・・・
強い!?指導者に「全てを」任せ切りにしようとしている・・・
からです!
そして、反面教師とは「負」のみならず「正」としても活用出来ます(笑)
では、番組『 先人たちの底力 智恵泉 』(Eテレ)から「大黒屋光太夫 生きるか死ぬか 極北のサバイバル術 / 皇帝を動かした 諦めない心」の2回を少し眺めつつ、そこに様々な視点を加味していきます!
【 漂流を招いた魔の海域と暴風雨 】
大黒屋光太夫(1751~1828)が年の頃30代前半の時に、商船である千石船「神昌丸」の船頭をしていました。
ただ、この頃の光太夫は船頭の「経験」も、まだ浅いものでした。
1782年(天明2年)12月、総勢17人で江戸へ向けて伊勢湾を出航しますが、3日間の船旅の予定になるはずでした。
しかし、伊勢湾を出て岸から10キロ離れた魔の海域と言われる遠州灘で暴風雨に遭遇し、この後、7ケ月間の漂流生活に直面する事になります、、、
【 浅い経験を埋める右腕の存在と精神の崩壊 】
暴風雨の中、船には巨大な帆柱があるので、船がバランスを崩し転覆する危険がありました。
しかし、帆柱を切り倒すと「推進力」を失い、漂流するのは目に見えています。
光太夫は帆柱を切り倒す「選択肢」を考えながらも、失敗すれば帆柱が落ちて来て船は大破してしまう怖れもありました。
そこで、光太夫は最年長の船乗りの三五郎に意見を求め、三五郎が指揮を執り帆柱を切り倒す「決断」を下し、見事に成功しました!
翌日に嵐は治まるものの、帆柱が無い為に過酷な漂流生活の始まりも意味していました。
そして、乗組員達も最初はお互いに「励まし合っていた」ものの、「時が経つ」につれ些細な事で口論や殴り合いが起きます。
その一方で「無気力」が蔓延するなど、乗組員達は次第に「精神的に」追い詰められていきます、、、
ただ、紀州藩の蔵米を大量に積み込んでいたので、食事には不自由しませんでした。
しかし、漂流から半年も経つと「薪」が尽きて、米を炊けなくなってしまいます、、、
ところで、これも前回のTOPICSでは「正常性バイアス」についても触れました。
これは、
今、目の前で起こっている事は「大した事ではない」と、平静を保とうとする心理の働き
です。
光太夫以下の乗組員達も「現状」は理解していたと推測出来るものの、当初は励まし合っていた事から、正常性バイアスも「ポジティブ」な働きをしていたのでしょう。
しかし、次第に精神が追い詰められていく事で、協力し合うどころか「仲間割れ」を始めています。
協力し合う事で出来る事が増え、助かる可能性が高まるのは「理性」では考えられるものの、この頃には「感情優位」になっていたのでしょう。
その感情優位になる一つの理由に、
自分さえ良ければ(助かれば)構わない
というのがあります。
協力し合い、皆が最善を尽くした上で、結果的には最後に生き残ったのが一人というケースは勿論あります。
しかし、「自分さえ」という手段で生き残った一人は、その後に精神が「崩壊に向かう」のは、「過去の歴史」が証明しています。