【 アダムとイブの物語から 】
アダムとイブは聖書の物語ですが、宗教(観)として取り上げる訳では、全くありません(笑)
では、『 頭のいい子を育てるおはなし366 』(主婦の友社)から、引用します!
むかしむかし、この世界は真っ暗で、しんと静まりかえっていました。
そこに神様が現れて言いました。
「 光よ、出ておいで 」
すると光が現れ、神様はその光を昼、真っ暗な闇を夜と名付けました。
次に神様は、言いました。
「 生き物よ、水の中で生まれなさい。 翼を持った鳥よ、空を飛びなさい 」
すると海の中で魚が泳ぎ出し、空には鳥が飛び始めたのです。
そうやって神様は七日間かけて、この世界とそこに住む様々な生き物たちを作りました。
そして最後に人間を作り、アダムと名付けました。
アダムは神様が作った楽園エデンで暮らしていました。
エデンは神様の使いである天使たちも喜ぶような、美しい平和な場所です。
そこに住む鳥も動物も、誰もがとても幸せでした。
神様は言いました。
「 アダムよ。 この園の木のどの実を食べても良い。 でも園の真ん中に生えている『 善悪の木 』の実だけは、食べてはいけない。 それを食べると、人間は死んでしまうだろう 」
アダムは、神様が作ってくれたイブという女の人と結婚しました。
ある日のことです。
木かげで一人、休んでいるイブの所にヘビがやって来て、言いました。
「 神様は食べちゃいけないと言ったけれど、『 善悪の木 』の実はとっても美味しいんだよ。 なあに、その実を食べたって、人間は死にはしない。 大丈夫だよ 」
確かにヘビが言う通り、『 善悪の木 』の実はとても美味しそうに見えます。
はじめは、イブも我慢していました。
でも、ヘビにそそのかされる内に、木の実を食べたくて堪らなくなって来ました。
そしてとうとう、その木の実をひと口かじってしまったのです。
イブを探しに来たアダムも、その実を食べてしまいました。
アダムがその実を口にした途端、それまで幸せだった二人は、急に悲しくなりました。
二人はずっと裸で暮らしていたのですが、何だか恥ずかしくなって来て、慌ててイチジクの葉で、自分の体を隠しました。
それを見た神様は言いました。
「 ああ、お前たちはどうして木の実を食べてしまったのだ 」
「 ヘビに騙されたのです 」
神様は怒ってヘビに言いました。
「 お前は一生、這って歩き、みんなから嫌われるものになるだろう 」
そしてアダムとイブにも言いました。
「 お前たちは今までのようには、もう暮らせない。 この楽園を出て、これからは汗を搔くほど働いて、作物を作りなさい。 そして、やがて年老いて、死んでいくだろう 」
二人は、美しく平和な楽園を追い出されてしまいました。
だから人間は、汗水流して働いて、作物を作り、やがて年老いて死んでいくことになったのです。
では、メタファーは終了し、シンプルに締め括ります!