被爆者の被害と犠牲は原爆投下以外にも ~心を失った薬剤トロトラスト~

第574回:『 被爆者の被害と犠牲は原爆投下以外にも ~心を失った薬剤トロトラスト~ 』

【 その他参照ワード:戦後80年、第五福竜丸事件 】

S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング・各種セミナー&認定講座)の瀬川です!

本年(2025年)は戦後80年ですが、それは同時に、原爆投下による被爆の被害と犠牲から80年を意味します。

しかし、

 

被爆は原爆投下以外にも、それ以前から続いていた・・・

 

という事実が明らかになりました、、、

 

 

そして、前回のTOPICSでは「陰謀論」を取り上げ、次のコメントをしました。

それは、

 

古来から、陰謀は「事実」として存在するのも「歴史が証明」している

 

更に、陰謀論であるのか、あるいは、問題提起であるのかを見抜く為には、

 

伝えられる内容と共に、伝え方に「愛」を感じるか???

 

そして、

 

愛に「心の琴線」が触れると・・・

あなたの「感性」を震わせる・・・

その「肌感覚」を頼りにして下さい!!!

 

と締め括りました!

故に、このような視点を意識して、この先を眺めて下さい、、、

 

 

では、番組『 ETV特集 』(Eテレ)から「 忘れられた被ばく者 」の回を少し眺めます!

 

【 死を招いた薬剤トロトラスト 】

「トロトラスト」とは、1930年にドイツで開発された血管造影剤の薬剤です。

血管や臓器を写す優れた造影力という特質を持ち、X線撮影(レントゲン)の診断精度を高める為に使用されました。

そして、当時の雑誌広告には《 絶対無害無痛 》などの言葉が踊り、急性の副作用も少ない画期的な薬剤との触れ込みでした。

 

しかし、トロトラストの主成分は「放射性物質」の二酸化トリウムでした。

トリウムの半減期は物理学的には140億年とされ、調査の為に現存するトロトラストからは、「今現在」も放射性物質が放出され続け、検出されています。

 

そして、人体に注射されたトロトラストは、特に肝臓に分散して沈着する傾向があり、その後も体外に排出されず、「生涯に渡り」放射線のアルファ線を体内で放出し続けます。

こうして、臓器にダメージが「蓄積」され続け、死を招く事になりました。

 

 

【 日本で幅広く使われた背景 】

昨年(2024年)の夏、トロトラストを注射された患者668名の臓器標本を含む、未公開資料群の存在が長崎大学で明らかにされました。

この資料群の多くは、国の研究班の記録として残されました。

そして、長崎大学による調査から、

 

埋もれた大勢の被爆者の存在

 

が確認されました。

 

日本でトロトラストが投与されたピークは、満州事変から太平洋戦争へと続く、1930年代初頭から終戦までの間です。

「当初」は戦地で負傷した軍人の治療に使われ、推定3万人に投与されました。

 

しかし、同じく長崎大学の調査では、民間人にも頻繁に投与されていた事実が明らかになりました。

残存するデータによると、トロトラストの投与率は軍人が約60%、民間人が約30%となっています。

このように、一般の病院でも検査の為に、日常的に幅広く使われていた一方、乳児や10代の若者への影響を調査する、

 

実験的な投与

 

も行われていた事実も明らかになりました。

更に、栄養剤と称して注射されたり、理由も告げられずに投与されたケースも見つかりました。

 

 

そして、若くしてトロトラストを注射され、死後に死因解明の為に解剖を依頼されたケースもありました。

しかし、遺族はトロトラストに関して一切聞かされず、解剖や死因結果も知らされないケースもありました。

そして、この話は、この先に紹介する「他の面」に繋がっていました、、、

 

【 既に「気づいていた」にも関わらず 】

1954年、アメリカの水爆実験による第五福竜丸事件で、多くのマグロ漁船の船員が被爆しました。

これにより反核デモが起こり、トロトラストを巡る環境に変化が生じました。

そして、この頃の日本の医学界では、トロトラストによる発がんの報告が相次ぎ、使われなくなりました。

 

 

しかし、20年以上前の1932年には、アメリカ医師会がトロトラストの危険性を指摘し、認可しない報告書を作成していました。

更に、日本でも1930年代の中盤頃から、同じく危険性が「既に」指摘されていて、使用禁止を求める論文も存在していました。

 

なぜなら、1930年代には、放射線が発がんと関係している事実は、日本でも既に判明していたからです。

しかし、1940年発刊の医学書《 脳血管撮影法 》には次の事が書かれ、トロトラストの使用が「拡散」されました。

 

医学書:
『 放射性物質としての(臓器や細胞)組織への影響の問題も、未だ充分に解決されていない実状にある。 然るに一方、利害得失の差し引き勘定を行えば、勿論、断行するの他は無い。 』

 

 

しかし、既に投与された多くの患者に対する追跡調査などは行われず、「その後」も投与した医師も含め、多くの関係者が「口を閉ざし」続けました、、、