【 脳内で作用する仕組み 】
脳内の神経伝達物質の一つに、セロトニンが存在します。
セロトニンは意欲や気分の安定などに関係し、セロトニン受容体と結合すると神経が活性化し、情報が伝えられます。
そして、サイケデリクスの多くが、
セロトニンと似た形状であるが故に・・・
セロトニン受容体と結合しやすく・・・
しかも、神経を激しく興奮させる作用がある・・・
という特徴があり、これが脳内で作用する仕組みです。
ただ、症状を悪化させる場合もあります、、、

【 デフォルト・モード・ネットワークをリセットする 】
サイケデリクスを使った治療では、
脳の思考回路の異常をリセットする
という特徴が挙げられます。
故に、研究者や専門家の中には心理療法と位置付ける人も多く、神経や遺伝子の発現にも影響を及ぼすメカニズムを発見したと主張する人もいます。
そして、脳が思考するシステムの一つに、
デフォルト・モード・ネットワーク
という働きがあります。
これは、「意思や行動」を司る前頭前野と、「感情に関係」する後部帯状回を中心に、脳の「各部位」を結ぶ思考のネットワークという意味です。
そして、通常はボンヤリしている時に働きが活発になり、色々な想像などが張り巡らされます。

しかし、鬱状態では思考が頭から離れなくなるという、逆効果の面が活発になります。
つまり、
思考が極端に内向きになると同時に・・・
外の世界に無関心になり・・・
脳の思考のネットワークが硬直化・・・
している状態です。
しかし、サイケデリクスを投与すると、硬直化したネットワークが崩壊する事が、MRI画像で見つかりました。
勿論、崩壊と言っても一時的な現象で、その後は思考のシステムがリセットされ、再調整されます。
言わば、
思考に「しなやかさ」を取り戻す
との表現も可能かもしれません、、、

【 実際の治療内容 】
オーストラリアでは、2023年からサイケデリクスを使った、難治性の鬱病とPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療が解禁されています。
実際の治療内容は、最初にシロシビンを服用し、アイマスクとヘッドホンを装着して、ベッドに横たわります。
このように、リラックスしながら、神秘体験をしていきます。
なお、治療中は医師などの医療スタッフが、必ず立ち会う事が厳守されます。
なぜなら、心理的ケアのみならず、
稀に生じる体調不良や・・・
悪夢のような幻覚に対処する為・・・
などの事態に備える事が、大切で必要だからです。
そして、患者との話し合いを通じて、
神秘体験を整理して、振り返ると同時に・・・
思考を改善する為に重要なステップとなる・・・
カウンセリングが必ず行われる!!!
という内容です!

ちなみに、オランダでは発達障害への応用や、服薬方法の違いによる効果も試行されるなど、番組では他の取り組みや可能性なども紹介されています。
また、被験者の「感想や体験談」も紹介されていますが、今回は敢えて触れません、、、
そして、繰り返しですが、サイケデリクスは、
現在の日本では、違法かつ犯罪に該当するので・・・
勝手な自己判断を決してせずに・・・
絶対に使用してはいけない!!!
という事を守って下さい!

では、装いをガラリと変えて、メタファー(物語や比喩・暗喩)として漫画本『 美味しんぼ 』(作:雁屋 哲、画:花咲アキラ、小学館)から、第30巻掲載の「 大食い自慢 」を少し眺めます!
【 本人には自慢の種(笑) 】
山岡士郎が勤務する東西新聞社の文化部に、上司の富井副部長がいます。
そして、山岡は富井副部長から相談を受けました。
その相談とは、富井副部長の親友の甥っ子である、土田康一に関する事でした。
そこで、土田に会って話を聞く事になりました。
すると、富井副部長が言うには、
土田には困った癖がある・・・
との事です。
そして、その困った癖が、
大食い!!!
でした!

しかも、常識外れの大食いで、土田の大食漢ぶりを見ると、土田に好意を持っていた女性も、皆が皆、逃げ出す始末でした(笑)
しかし、土田は反論します、、、
土田:
『 大食いで何が悪いんです。 小食の人間は腹に一物あって、何か悪い事を企んでいる険悪な人間なんだ。 大食いの人間は、正直一途、明朗一本槍の正しい人間です! 』
【 実態観察から光明を見出す 】
つまり、富井副部長の相談とは、大食いを「治す」方法でした(笑)
山岡:
『 食欲が無いから沢山食べられるように、何か美味しい物を考えろと言うならやりようもあるけれど、食欲を抑えるようにしろってのは難題だねえ。 』
そこで、土田の馴染みの食堂で、大食いの実態を観察する事になりました!
しかし、土田が食堂にやって来るや否や、主人は即座に閉店の札を掲げます。
なぜなら、全ての料理を土田が食べてしまうからです(笑)

そして、土田は続々と料理を平らげている中、ご飯も無くなったのでお開きとなりますが、土田にとっては「腹八分目」でした。
桁違いで想像を絶する大食いぶりに、山岡は思案を重ねつつ、富井副部長に一つの質問をします、、、
山岡:
『 土田さんてのは、全く味の分からない人間て訳じゃないんでしょう!? 』
富井副部長:
『 ん? ああ。 あれで結構味については、いいの悪いのと、うるさい事を言いやがるから、また腹が立つんだ。 』
山岡:
『 ふうん。 それなら脈があるかな・・・ 』
そして、究極のメニューに加えるべき料理がある店に、土田を連れて行く事になりました。
ただ、高級料理なので、「賭け」でもありました、、、

【 治すのか? 変えるのか? 】
お店で提供された食事が、店主自らが目の前で調理するハモ鍋でした!
すると、土田はハモ鍋を一口味わっただけで、あまりの美味しさにボーっとなってしまいました。
そして、もう少しハモ鍋を頂こうとする中、土田だけが『 僕はもう結構 』と断り、山岡達を驚かせました。
そして、土田は理由を話します、、、
土田:
『 僕は今まで食べ物に対して、傲慢というか無神経というか、敬意を払ってこなかった事に気づいたんです。 今ハモ鍋を食べて、僕は初めて食べ物に畏敬の念を抱いた。 もっと正確に言うと、食べ物を作った人々に畏敬の念を抱いたんです。 美味しい物を作って人に食べさせようという熱意と誠意と工夫が、この鍋には込められている。 こんな素晴らしい物をガツガツ大量に食い散らかしたらバチが当たる・・・ 』
その「言葉」に店主も喜び、富井副部長も驚く中、更に土田は続けます、、、
土田:
『 考えてみれば、一膳飯屋の定食だって、真面目な店ではそれなりに作る人は心を砕いているんだよなぁ・・・ それをただ乱暴に食い散らかして来た事を考えると・・・ 大食いを、むしろ自慢にしていた自分が恥ずかしいよ・・・ 』

では、メタファーも終了ですが、この直後に店主が『 お雑炊をつくりましょう 』と提案した所、
土田:
『 え! 雑炊! このダシで! こんな小鉢じゃ、まだるっこしい! 僕には丼で下さい! 』
皆に「白い目」で見られた土田は、
土田:
『 ・・・小鉢でいいです。 』
、、、(笑)
では、メタファーも終了し、締め括りです!