【 福井県の民話「石のまくら」より 】
話の舞台は、現在の福井県福井市の東郷地区です。
この地は、かつては東郷街道と大野街道が交わる交通の要衝であった事から、繁栄していた宿場町でした。
幼くして両親と死に別れた、お雪という娘がいました。
そして、宿屋に引き取られ、冷たい仕打ちを浴びながら、朝から晩まで働かされていました。
ところで、その宿屋には、決して入ってはならない、開かずの部屋が一つだけありました。
理由は聞かされず、お雪が大人になった今でも、その部屋には一度も入った事がありませんでした、、、

ある日、一人の旅人が宿屋を訪ねて来ました。
その夜の客は、その旅人だけでしたが、何故か、開かずの部屋に通されました。
すると、今日から手伝って貰う新たな仕事があるから、夜中まで起きているようにと、お雪は主人から言われました。
客は一人だけで、忙しく無いにも関わらず、お雪は不思議に思いました、、、
夜中になると、開かずの部屋から奇妙な音が聞こえて来ました。
そして、お雪は一緒に来るようにと、主人に言われ従いました。
開かずの部屋に入ると、旅人は大きな石で頭を潰され、息絶えていました。
お雪は驚いている一方、主人は旅人の荷物から金品を奪い取りました。
実は、大きな石は、主人が開かずの部屋に仕掛けたものでした。
故に、誰にもバレぬように、客が一人だけの時に実行されていました、、、
そして、主人はお雪を養う為にやっているんだと叱責しました。
更に、お雪が大人になるまで育てる事が出来たのも、殺しによる盗みのお陰だと詭弁を使いました。
しかも、主人は見て見ぬ振りをしたお雪も同罪で、誰かにバレたら死罪だと脅迫しました。
この日から、遺体の後始末と、開かずの部屋の掃除がお雪の仕事に加わりました、、、

こうして、開かずの部屋では幾度も殺しと盗みが繰り返される中、お雪はもう止めたいと願っていました。
ある夜、誰も客がいない中、お雪がホッとしていた所に一人の旅人が訪れて来ました。
お雪は宿泊を断ろうとするものの、主人は開かずの部屋に通してしまいました。
そこで、お雪は開かずの部屋に案内する際に、また、食事の配膳の際など幾多の場面を通して、旅人にメッセージを届け続けました。
旅人には、お雪のメッセージが何の為か分からないものの、寝床に就こうとした時、枕が石で出来ている事を発見し、お雪のメッセージの意味に気づきました!!!
主人は旅人に逃げられた事に気づき、探し始めます。
一方、旅人を逃がす為に、お雪は更に手助けをします。
そして、お雪は旅人から一緒に逃げるようにと言われるものの、断りました。
旅人は無事に逃げ切り、主人は死罪となりました。
一方、お雪の消息は不明のままでした、、、

では、2つ目も終了です!
【 不幸に陥る3つの落とし穴 】
主人の末路は、自業自得とは言え悲惨なものでしたが、TOPICSでは不幸に陥る3つの落とし穴として、
自己憐憫 & 共依存 & 責任転嫁
と伝えています!
つまり、主人の言動にある、
『 お雪を養う為にやっているんだ 』との自己憐憫
『 お雪が大人になるまで育てる事が出来たのも、殺しによる盗みのお陰 』との(共)依存
『 見て見ぬ振りをしたお雪も同罪で、誰かにバレたら死罪だ 』との責任転嫁
に現れています、、、

【 コミュニケーションを諦めない 】
お雪は諦めずに、旅人にメッセージを送り続けました。
そして、実は、お雪は主人にバレないように、メッセージを直接伝えるのではなく、
歌に詠むという間接的な手法
を用いました。
そして、歌の中に《 石の枕をしなさんな 》と込めました。
これにより、旅人は寝床に就く際に、メッセージの意味に気づく事が出来ました!!!
つまり、
人それぞれ見ている景色は違いながらも・・・
同じ景色を見ようと試みると・・・
共有する何かを発見する事が可能になる!!!
という事です!
これを一言で表現すると、
コミュニケーションを諦めない!!!
という事です!

では、最後の3つ目です!