アリストテレス:
『 要するに一言でいえば、同じような活動の反復から、人の性格の状態が生まれるのである。
(中略)
したがって、若い頃からただちにどのように習慣づけられるかは、些細な違いを生むのではなく、きわめて大きな、いや、むしろ全面的な違いを生む、と言ってよいであろう。 』
解説:
『 アリストテレス自身「悪徳」を変更する事の困難さについて語っている箇所もあるのですが、でもだからと言って全く変更不可能な訳ではなくて、少しでも良い、少しでも悪さの度合いの低い選択肢を選んでみる、その事によってほんの少しでも悪くない方向へと進んで行く出発点が得られると。 』
ここでも「(過度な)二者択一に陥らない」事に加え、物事や出来事には《 グラデーション(濃淡) 》が存在しているとの視点が成り立ちます。
そして、解説における『 アリストテレス自身「悪徳」を変更する事の困難さについて語っている箇所もあるのですが 』を生み出す最大かつ超強力な原因が《 自己憐憫 》であり、この自己憐憫はいとも簡単に《 (共)依存 》とタッグを組むようになります!!!
ところで、ここ迄の内容では「節制(自分の欲望をコントロールする力)」との言葉も出ておりましたが、番組ではイジワル!?な問い掛けがなされており、それが「 美味しそうなケーキが目の前にあり、甘いものが大好きな人がダイエットをしている場合にどう対応するのか? 」とのものです(笑)
そして、それに対するアリストテレスの考える4つのパターンが次のようなものです。
① 決してぶれない人(食べない)
② 葛藤の末に食べない人(食べたいけど食べない)
③ 葛藤の末に食べちゃう人(食べちゃダメって分かってても食べちゃう)
④ 欲望のままに振る舞う人(食べちゃう)
果たして、皆さんはどれに当てはまるのでしょうか???(笑)
そして、この「節制」に伴う視点として、「有徳な人」と「悪徳の人」との相違というものが番組では整理されておりました。
A : 節制ある人(節制ある振る舞いを喜び、それに対し葛藤がない)
B : 抑制ある人(理性と欲望が葛藤しつつ理性が打ち勝つ)
C : 抑制のない人(理性と欲望が葛藤しつつ欲望が打ち勝つ)
D : 放埒な人(欲望のままに振る舞い、それに対し葛藤がない)
更に、このABCDの行動パターンと理性との関係においては次のように紹介されておりました。
理性の支配下にあるもの : AとB
欲望の支配下にあるもの : CとD
「健全な理性」の存在下にあるもの : AとBとC
「悪しき欲望」の存在下にあるもの : DとCとB
なお、ここで言われる所の「悪(しき)」とは犯罪などの性質のようなものではありませんので(笑)
このような前提の元に、
解説:
『 「徳」を身に付けるには時間が掛かるとアリストテレスは言っている。
「徳」を身に付けるには幾つかのステップを越える必要がある。 』
とコメントされておりましたが、TOPICSでは《 (過度な)感情ではなく理性の活用を 》ともお伝えして来ております。
そして、「徳」を身に付ける際には「繰り返し」が必要との意味で「時間」が掛かるとの現象に結び付いていきますが、
癖とは無意識で繰り返して来た習慣に過ぎない
という性質があります。
癖はどこかネガティブで、習慣はどこかポジティブな響きがあるかもしれませんね!?(笑)
ちなみに「無くて七癖」との言葉もありますが、この意味は「癖がないように見える人でも、よく観察してみると、七つぐらいの癖は見つけられる」というものですが、癖の多くは《 他人 》から指摘されて初めて《 気づく 》事が多いですが、《 自分自身を知る 》という面にも同じく活用出来ます!