そして、次のドラフト会議の日が近づくにつれ、小次郎の心の中では『 そこ(クジでは運を天に任すしかない事)がなんともいやなんだ 力と力がぶつかりあう世界なのに その力がなんの役にもたたんということが 』という思いが更に強くなっていきます、、、
そして、そのような日々の中、遠山部長は小次郎に電話を掛けました。
遠山部長:
『 なあに あえないとわかっていて つい行きたくなるわしの勝手というものじゃ 小次郎くん 気にしないでくれ 』
小次郎:
『 はい・・・ つきましてはひとつ 最後のわがままをきいてほしいのですが
今年のドラフトはオリオールズの指名を抜かせていただきます・・・ はい・・・
つまり 指名権の同意書は出せないということです 』
遠山部長:
『 い いや当然そうあるべきとわしも思っていた
希望球団に入りたいために一浪したきみなんだからね・・・
12分の1より 11分の1の確率に賭けて すこしでもという気持ちは当然だよ 』
小次郎:
『 わかっていただけて ありがとうございます 』
遠山部長:
『 小次郎くん わしからもひとつたのみがある
今年のドラフトがどういう結果になろうとも 二浪だけはとどまってほしい・・・
くれぐれも肩だけは大事にな 』
そうして電話を終えた遠山部長は息子に対し、
遠山部長:
『 この一年間 まっこうから無謀とも思えるドラフト制度に挑戦してきたんだ・・・
ああいう男がひとりくらいいてもいいじゃないか
(しかし希望が叶わなかったらどうするんだよ?という息子に向け)
それでも初心をつらぬく男だよ・・・
ばかげている話だがな 』
と話し、涙を流しながらも、どこか晴れ晴れとしている遠山部長の姿が、そこにはありました、、、
しかし、その後まもなく、小次郎が憧れていたパイレーツのオーナ兼、監督でもある玄海が監督を辞める事になり、さすがの小次郎も少し動揺が走りました(笑)
そのような中、新コミッショナー(球界で一番偉い人)が改革の一環として、
ドラフト制度を廃止して、自由競争にする
と宣言しました。
ドラフト制度の元では、決してプロ野球界入りを拒否していた小次郎の「真意」が、いわば現実のものとなり、これにより小次郎は自由に希望球団を選んで入れる身となりました。
その新田家に、『 おめでとう 一年まったかいがあったな 』と遠山部長が電話で声を掛けてきてくれました。
そして小次郎の元に記者達が押しかけてきて、希望球団を聞き出そうとしますが、