「芯」に惚れ込む ~時と場合によっては頑固や意地っ張りも活用してみる~

その一方、大晦日の小次郎宅への訪問から、そのままオリオールズのオーナー宅に報告に向かった遠山部長に対し、オーナーは三角トレードを実行する含みを持たせ、遠山部長にいわゆるお暇(この件から手を引くようにとの含蓄)を出しました。
そこで、この件を小次郎に伝えねばとの強い思いを持ち、遠山部長は、更にその足で小次郎宅へ向かおうとしますが、その道中に、疲労による心臓発作で倒れてしまいました。
また、小次郎と武蔵くんは悪者とのレッテルを貼られ、練習する場所も借りる事も出来ず、周囲の多くの大人達を敵に廻す格好になっていきます、、、

 

そして、とある夜、遠山部長の息子が小次郎を待ち伏せし、三角トレードについて問い質します。
しかし、当の小次郎にもそれは初耳でありました。
そして、小次郎は武蔵くんと協約を調べ、自分の預かりしらぬ所で進んでいる三角トレードを理解した矢先に、第5回交渉と称して(遠山部長を無視し)オーナーと監督がお忍びで小次郎宅を訪れてきました。

しかし、ここでも小次郎は会うことすら拒否し続けます。
そして、オーナーと監督に向けて、

 

小次郎の母:
『 社長さん 小次郎の気持ちもわかってあげてください

  遠山さんのご熱心な交渉に4度もあわないできた小次郎です 』

 

そして、小次郎に意地をたたき込んだ祖父は、

 

小次郎の祖父:
『 社長でも監督でも拒否は拒否

  同じなんじゃよ 小次郎には・・・

  いかにオーナーとはいえ 小次郎がもしあったら遠山さんの立場はどうなります

  4度の苦労がそれこそ 子どものつかいになっちまうじゃありませんか

  どーぞ おひきとりください 』

 

当然?の事ながら、オーナーと監督は大層のご立腹で帰っていきましたが、小次郎がたたきこまれた意地の一端が、薄々見えかけてきた頃合いでしょうか?(笑)

そして、入院中の病床にありながらも、小次郎の事を強く思い、三角トレードを阻止すべく、小次郎の家に電話を掛けた遠山部長は息子に対し、

 

遠山部長:
『 わしのほれんこだ男に くるいはなかったぞ

  三角トレードみごとにことわったぞ

  小次郎くんはオーナーにもあわなかったそうだ

  わしの面目も考えてくれたんじゃろ

  新田小次郎は ありゃ正真正銘 筋金入りの強情じゃのォ 』

 

と喜んで話すのでした。
そして、遠山部長は程なく退院を迎え、当の小次郎と武蔵くんは、試合勘を失わない為にも草野球チームに参加したりなど、淡々と日々の練習を続けていきます、、、