栗田:『 問題は、うみたなごが子供を産む時なのよ。
私は見たことがないからはっきりと言えないけれど、島根の人が逆子を産むと言うからには、うみたなごの子供は、尻尾のほうから親の胎内を出てくるんでしょうね、きっと・・・ 』
辰さん:『 人間だったら、逆子だから難産だねえ~ 』
栗田:『 でも、うみたなごにとっては、難産でもなんでもない安産よ。 』
山岡:『 うみたなごが どんどん子供を産むところを見れば、安産の縁起物だと思う。
でも、それが尻尾のほうから生まれてくるところにこだわれば、逆子だから難産をまねく縁起の悪いものということになる。 』
辰さん:『 なるほどな。
こりゃあ~ 困ったな。 』
冬美:『 辰さん。
私は東北地方でいくわ。
だって、逆子でもなんでも、うみたなごは安産するんでしょう?
それならそっちの縁起を担ぐほうがいいわ。 』
辰さん:『 あ、そらそうだよな。
難産のうみたなごなんて、いやしねえんだから・・・ 』
では、物語はここで終了ですが、おそらく大丈夫かとは感じておりますが、誤解があってはよろしくありませんので、二つだけ付記させて頂きます!
まず、今回は「うみたなごのマメ知識」を役立てようという趣旨では全く無い!という点と、私が青森県という東北地方に住んでいるから取り上げた訳でもありませんし、ましてや、島根の文化や風習に異議を唱えている訳でも全くありませんので、重々「取り違え」の無きようお願い申し上げます(笑)
では、物語というメタファーは、皆さんお一人お一人それぞれの捉え方や感じ方がとても大切ですので、ここから多くは語りませんが、ほんの少しだけ、私なりの視点をご紹介させて貰い、今回のテーマの締め括りとさせて頂きます!