「フラッシュフォワード」を震災関連死と共に考えてみます ~希望を抱ける事の大切さ~

第244回:『 「フラッシュフォワード」を震災関連死と共に考えてみます ~希望を抱ける事の大切さ~ 』
【 参照キーワード:フラッシュフォワード、フラッシュバック、震災関連死、東日本大震災、PTSD、心的外傷後ストレス障害 】

S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です。

間もなく、東日本大震災から8年が経過しようとしております。
そして、つい先日の3月2日に放映された、ETV特集「原発事故 命を脅かした心の傷」という番組を観ておりました。
そこで、今回は「「フラッシュフォワード」を震災関連死と共に考えてみます ~希望を抱ける事の大切さ~」というテーマをお届け致します。

そこで、まず、改めて「震災関連死」とは、東日本大震災などにおいては、

 

地震や津波による「直接の被害」ではなく、避難生活などにおけるストレス等の「間接的な要因」で死亡に至ること

 

と定義されております。
では、この番組で放映されていた内容を元に、現在の状況を捉えてみたいと思います。

福島県では、現在においても、未だに「4万2、000人」もの方々が故郷に帰れずに避難生活を強いられております。
そして、2019年2月までの累計における、福島県内における「震災関連死」の方々は「2,267人」「直接死」の方々は「1,605人」と報告されております。

 

そして、宮城県と岩手県においては「震災関連死」の増加はほぼ止まっているが、福島県においてはその人数が(当初から)突出して多くなっており、かつ、緩やかになってきてはいるものの、未だに増え続けているというのが現状であります。

そして、この番組冒頭では、原発事故により避難生活が始まったのが発端となり、未だに帰れないという故郷の喪失がもたらす深刻なストレスという一貫したテーマの元に紹介されていきます。

 

では、この番組で放映されておりました、東日本大震災後に福島県に赴いてトラウマ等の診察を行ってきた、ある精神科医の方のコメントをご紹介致します。
それは、

 

『 帰る所がない人達の心のケアは、日本ではやった事がない、、、

  かつて経験した、どの災害よりも、メンタルなトラウマのリスクは高い、、、 』

 

と、それと同時に、

 

『 原発避難の人達は、前を向けば向くほど絶望しか見えなかった、、、

  そういう未来に向くようにって、逆に過酷なこと、、、

  とんでもない矛盾、絶望を含んだこと、、、

  未来が(見え)ない事に対して、どう対応するか、サポートするか、ケアするか、といった事は、私(達)は全く未経験だったので、そこは大変申し訳ないというか、、、

  未知の時代に遭遇したんだと思っている、、、 』

 

と。
では、ここで、少し整理をしたいと思います。